仲間を忘れるな。
『”火影になった者”が皆から認められるんじゃない、”皆から認められた者”が火影になるんだ』
仲間を忘れるな、、、。
サスケの兄であるイタチが、ナルトに向けた言葉であります。
漫画・NARUTOにおいてクライマックスとも言える第四次忍界大戦。
幼少期から火影になることを夢見てきたナルト。
仲間思いで、使命感が強く、ときに自分を犠牲にしながら闘うことを恐れません。
火影にふさわしい人物になるため、その強い使命感から『この戦いはオレ1人で受け入れる』と宣言します。
上記のイタチの言葉は、このナルトの発言に対して言われたものです。
アカデミー時代(私たちでいうところの小学生)は、九尾使いという特殊な能力をもつ人物としてみなから恐れられてきました。
不真面目な少年であり、そのやんちゃさから嫌われることもあったのです。
そんなナルトが成長し、皆から慕われるような存在になったのは
ナルト自身が他人の存在を意識し、認められたいと一途に願い頑張ったから。
決して見返りを求めることなく、ただ仲間のことを思い戦ってきたのです。
そんな彼の姿勢が、周りを変え支えられる存在へと変化していったのです。
仲間がいたからこそ彼はここまで来れたのですね。
そしてイタチは、加えてナルトにこう言います。
『どんなに強くなろうとも全てを1人で背負おうとするな。そうすれば必ず失敗する』
強くなればなるほど、自分1人の力で世界が変えられると思ってしまいます。
そして、それが正義なんだと使命感が強い人は特に考えてしまいます。
しかし、他人の存在を忘れ”個”に執着するということは周りが見えなくなっているということ。
仲間の幸せを願いながら、その未来のために全力を尽くしてきたはずが
いつしか自分の欲望や願望にまみれた世界をつくってしまう結果になってしまうのです。
それは失敗であるとイタチは言います。
第四次忍界対戦でのキーマンとも呼べるマダラは、まさに自分の欲望や願望のために世界を変えようとする者。
この戦いの発端をつくった人物であり、この世から戦いを終わらせるために”戦い”を仕掛けるという
なんともまあ矛盾に満ちた動機なのであります。
しかし、彼の中ではそれが正義なんですよね。
争いのない世界を望む者からしたら、それは曲がった考えのように思えます。
だから、本当の意味でいつまでも強くありたいのなら仲間の存在を忘れるなと。
その言葉の意味が、冒頭のイタチの言葉に込められていると感じました。
『”火影になった者”が皆から認められるんじゃない、”皆から認められた者”が火影になるんだ』
強いものが偉いんじゃない、皆から愛され認められたものが偉大なんだと、仲間を思う大切さをイタチは教えてくれました。