なぜ薬を水で飲む必要があるのか、その理由を解説します!
薬を水なしで飲んだり、水以外のもので飲んだりしても大丈夫ですか?
お腹の中に入ってしまえば他の飲食物と混ざるし何で飲もうと同じだと思うのですが、、、。
「薬は水かぬるま湯で飲む」が基本です!
水なしで薬を服用すると吸収が悪くなったり、消化管の粘膜を傷つけ障害を起こすことがあります。
また、水やぬるま湯以外で服薬すると思わぬ副作用を起こしたり、期待される効果が出ない、といったデメリットもあるのです。
内服薬の注意事項には、『水またはぬるま湯で飲んで下さい』と書かれているものがほとんどです。
これにはちゃんとした意味があるんですよ。
今回の記事では以下のことを書いていきます。
①水なしで薬を飲むとどうなるのか。
②薬の作用を変化させる飲み物について。
③薬が飲みにくい場合はどうすべきか。
それぞれ詳しく書いていきます。
水なしで薬を飲んではいけないの?
錠剤やカプセル、粉薬を飲むときは『水かぬるま湯で飲む』ことが基本です!
その理由は下記です。
- 薬が吸収されるには薬が溶けた状態である必要がある。
- 食道や胃の粘膜に直接触れ、それが刺激となり潰瘍や出血を起こすことがある。
薬が吸収されるには薬が溶けた状態であるべき
そもそも、薬が吸収されるには薬が溶けた状態でないといけません。
水がなければ溶けにくく吸収が遅れ効果も現れにくくなってしまいます。
場合によっては溶けずにそのまま便の中に出てしまうことがあります
食道や胃の粘膜に直接触れ、それが刺激となり潰瘍や出血を起こすことがある。
粉薬などは気管から肺に入ってしまい肺炎を起こした例もあります。
水なしで服薬するのは危険です。
コップ1杯(180〜200ミリリットル程度)の水やぬるま湯と一緒に飲むと良いです。
薬の作用を変化させる飲み物について
ジュースや牛乳で服用すると、薬によって効き目が変化してしまう可能性があります。
その他にも、グレープフルーツジュースに含まれる成分が血中濃度を上昇させてしまうとか。
注意すべき飲料は下記です。
- 牛乳
- アルコール
- ジュースやスポーツ飲料
- カフェインを多く含むもの
それぞれ詳しく書いていきます。
1,牛乳
カルシウムやタンパク質を豊富に含む牛乳は相互作用を引き起こしやすいです。
抗生物質の中には、有効成分が牛乳中のカルシウムと結合して、効果が半減してしまうものもあります。
特に、便秘薬を服用するときは注意が必要です!
牛乳はアルカリ性で胃酸を中和する働きがあります。
胃の中の酸性度が下がると薬を胃酸から守るためのコーティングが破壊されてしまい、腸に届く前に有効成分が出てしまう恐れがあるのです。
2,アルコール
絶対にお酒で薬を飲んではいけません。
特に眠剤や抗アレルギー薬と一緒にお酒を飲むと、作用を増強させてしまいます。
強い眠気や意識障害を引き起こす可能性も考えられるため非常に危険です。
他にも薬とアルコールの相互作用としては下記のものがあります。
- 有効成分の血中濃度上昇による作用・副作用の増強
- アルコールの分解を抑制することによる頭痛・嘔吐
- 中枢神経の抑制による呼吸停止や心停止
- 血管拡張による起立性低血圧
安易にアルコールで薬を服用すると最悪死にます。
3,ジュースやスポーツ飲料
グレープフルーツは避けて下さい。
薬の代謝酵素の働きを弱める物質を含むため、薬の代謝に時間がかかってしまいます。
主に、血圧を下げる薬(カルシウム拮抗薬)や抗血小板薬には注意が必要です。
スポーツ飲料は、カルシウムなどのミネラルが含まれているため、薬の成分を弱めてしまうことがあります。
▼降圧薬(血圧を下げる薬)についてはコチラ▼
4,カフェインを多く含むもの(緑茶、コーヒー、紅茶など)
ドリンク剤の中にもカフェインを多く含むものありますよね。
『お腹の中で一緒になるのだから、、、』と横着せずに水で飲むようにしましょう。
薬が飲みにくい場合はどうしたら良いか?
特に粉薬は水でも飲みにくいですよね。
そんな場合は、オブラートに包んで飲むといいでしょう。
服薬用ゼリーなんかもありますので、こちらもお薦めです!
錠剤が大きくて飲みにくいという人は、粉薬や小さい錠剤の製品に変えることを推奨します。
決して、薬を割ったり、噛んで服用することがないように。
薬を飲むのが苦手な人にオススメ!
薬を飲むのが苦手なお子さんにピッタリです!
飲みにくい粉薬を飲むときに便利です。
薬は必ず『水またはぬるま湯』で服用して下さい!
最後にまとめを書きます。
- 水なしで薬を服用すると消化管の粘膜に直接触れ、潰瘍や出血などの障害を引き起こすことがある。
- 薬の作用を変化させる飲み物は主に4つ。「牛乳」「アルコール」「カフェイン」「ジュース・スポーツ飲料」
- 特にお酒は薬の作用を増強する働きがあり、呼吸停止や心停止の恐れがある。
- 薬が飲みにくい場合は、市販のオブラートや服薬用ゼリーを使うと良い。
メーカーは、水と一緒に飲んだ場合を想定して安全性を担保しています。
繰り返しになりますが、薬は『水またはぬるま湯』で服用しましょう。