【糖質制限】血糖コントロールをして健康な身体を手にしよう!
糖質制限と聞くと皆さんはどのようなことを思い浮かべますか?
「糖尿病」「肥満」「ダイエット」
だいたいこんな感じでしょうか。
私は普段看護師として働いていています。
個人病院の整形外科なのですが、病院食は基本『糖質制限食』です。
- 整形外科で糖質制限??
こんな疑問を持つ人もいるでしょう。
入社当時、私も同じように思っていました。
今回の記事では、糖質制限について。
血糖コントロールの重要性について書いていきます。
参考文献:なぜ、整形外科医が糖質制限をすすめるのか
私が務める病院の院長が書いた小冊子です。
主にその内容についてまとめました。
なぜ糖質制限なのか?
当院では『糖質制限』療法という、薬もインスリンも使わない糖尿病療法を行っています。
整形外科病棟とは別に、糖尿病治療を目的としたクリニックがあって、主にそこで行われている療法です。
糖尿病治療と聞くと、内服治療やインスリン注射が頭に浮かぶ人も多いと思います。
しかし、薬や注射は金銭的にも身体的にも患者さんの負担になることは事実。
『患者さん第一』の考えである院長は、それを避けたいという考えがあるのです。
自身の経験から糖質制限を推奨
人間ドックでメタボリックシンドロームの診断基準に入ってしまった院長は、肥満で悩んでいたスタッフが糖質制限食で減量成功しているのを知り、軽い気持ちで糖質制限食を始めました。
最初の1週間で体重が1キロ落ち、ベルトの穴が1つ分縮む。
次第に空腹自体に気づかないこともあり、特に辛い思いをすることなく日常生活を過ごせるようになったそうです。
現在に至るまで5年近く糖質制限食を続け、減量後の体重(高校時代の体重)を維持。
検査数値も問題なし、リバウンドも無し。
この経験から糖尿病で悩む患者さんにも活かせるのではないか、と考え糖質制限食を取り入れました。
現在では、膝の痛みに悩む太った患者さんにも糖質制限食によるダイエットを勧めています。
糖質制限のメリット
①すぐに確実に現れる。
- 体重
- ウエストサイズ
- 血糖値
これらは、すぐに結果が現れます。
体重やウエストサイズもそうですが、とくに血糖値はスタートした日から、遅くとも翌日には必ず現れるのです。
引用:なぜ、整形外科医が糖質制限をすすめるのか
②空腹感を感じなくなる
糖質制限を始めて2週間くらい経つと、空腹感をほとんど感じなくなりました。
引用:なぜ、整形外科医が糖質制限をすすめるのか
空腹を次第に感じなくなるのは、血液中にケトン体という物質が増えたからです。
*ケトン体:脂肪が変化してつくられる物質
糖質制限食とは
糖質を控え、その分タンパク質や脂質をしっかり摂るという食事です。
食後高血糖を引き起こさないことが、あらゆる不調や疾患の予防・改善に繋がります。
食後に血糖値が高くなると体脂肪が蓄積され、肥満を引き起こします。
*メカニズム*
①食後血糖値が上昇する
⬇
②インスリンがたくさん分泌される
⬇
③体脂肪が蓄積される
⬇
④肥満を引き起こす
インスリンは別名『肥満ホルモン』と呼ばれています。
過剰に分泌されることで体脂肪がどんどん蓄積されていきます。
なので、食後の血糖値が上昇しないよう(最小にするため)に糖質制限食を推奨しているのです。
糖質制限で改善が期待される疾患
糖尿病
血糖値を上げるのは口から摂取した糖質だけといことがわかっています。
糖尿病というのは高い血糖値を下げられない病気。
糖質制限食を食べていれば血糖値は上がりません。
高度肥満
摂り過ぎで肥満を招くのは、脂質ではなく糖質です。
糖質は摂取されると中性脂肪となり脂肪細胞に蓄積されます。
消費のバランスがとれず、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、中性脂肪が蓄積されたままとなって肥満になるのです。
*中性脂肪:エネルギー源であるブドウ糖が不足した場合、それを補うためのエネルギー源。
*高度肥満:BMI 35以上
高血圧
糖質が少ないと全身の血流が促され、代謝がよくなります。
高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態を指します。
*正常値:最大血圧(収縮期)140mmHg以上または最小血圧(拡張期血圧)90mmHg以上。
脂質異常症
糖質制限をすると中性脂肪が下がり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)も増えていきます。
半年から2年かかりますが、正常値に落ち着いていきます。
アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎
糖質量の少ない食生活で体内の代謝が安定し、自然治癒力が高まります。
*予防に効果が期待されている疾患*
・癌
がん細胞はブドウ糖しかエネルギーとして使ません。
高血糖は手術上のリスクが高い
整形外科と関連がある内容です。
高血糖の状態が続くと免疫力が低下し、感染症のリスクも高くなります。
実際に、膝の人工関節手術をおこなった患者さん(糖尿病)が術後感染症を起こし、人工関節を取り出さなければいけなくなった事例もあります。
糖尿病の患者さんは血糖コントロールがされていない場合、よほど緊急性が高くないかぎり手術はできません。
免疫力の低下で、
- 傷口の治癒が進まない
- 感染症を起こしやすくなるからです。
*糖尿病は、ハイリスク患者に含まれます。
術後感染のリスクが高いため、糖尿病(以下、DM)を既往に持つ患者さんの手術を行わない病院もあるとか。
当院では、食事による糖質制限を行っている(DM患者さんは必須)ので、既往にDMがあるという理由で手術ができない患者さんはいません。
糖尿病の合併症
糖尿病と糖質制限は関連性がとても高いです。
糖尿病を予防するためにも、合併症の理解は必要です。
炭水化物は摂取するとすぐに体内で糖に分解され、すみやかに血液中に吸収されます。
事実、糖質はとても効率の良いエネルギー源です。
しかし、エネルギー源として使われなかった糖は、血管を傷つけるなどのとんでもない悪さをし様々な合併症を引き起こします。
糖尿病の合併症
- 失明:年間3000人(5年以降)
- 透析:年間1万6000人(5〜10年以降)
- 下肢切断:年間3000人以上(数年後)
*透析*
腎臓の働きの一部を人工的におこなう治療法
カロリー制限だけでは意味がない
糖質制限の誤解について。
血糖値を上げるのは唯一、炭水化物(糖質)だけです。
炭水化物以外のタンパク質や脂肪は、吸収されても血糖値をあげません。
つまり、カロリー制限をした糖尿病食を続けても血糖値は下がらりません。
食事で摂ったごはん・パン・麺類などの炭水化物のほとんどはすぐに糖に変わり、吸収されて血液中に入り込むからです。
正しい糖質制限を行うことで、高血圧などの生活習慣病が改善され、心臓病や脳卒中のリスクも小さくなり、癌にもなりにくくなります。
最後に
血糖コントロールの重要性が少しは伝わったでしょうか??
日々の食事を変えるだけでも、身体は大きく良い方向に変化していきます。
最初から糖質ゼロにするのは難しいですよね。
なので、
- 少しずつ減らすとか
- どのくらい摂取しているのか知る
ということから始めても良いと思います。
私自身、ご飯やパンが好きなので決して他人事ではありません(笑)
気をつけなきゃいかんですね、、、、。
【補足】情報を取捨選択し、自分で考えることが大切
現在の医療は必ずしも良心だけで動いているわけではない。
この認識は重要です。
本当に患者さんのためを思って取り組んでいるのか、と疑問に思うことはたくさんあります。
大学の医局、専門分野の学会、地域医療の医師会の顔色をうかがい、その権威に従順に動くことが仕事だと思っている医師たちもいます。
薬や注射を使った治療が、必ずしも患者さんのためだとは限りません。
今は誰でも深い情報が簡単に得られる時代です。
- 医師は患者さんのためということを第一に考えていないかもしれない。
- ベストの治療が受けられないかもしれない。
そのことを理解して、本当の健康を手に入れるために医療情報に興味を持ち、アンテナを張って取捨選択する。
自分で自分を守ることが大切だと思います。
これから健康で元気に長生きしていくために、情報はとても重要なことなのです。
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