おるたな気分

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【アキレス腱断裂】早く治したいなら手術です。

 

春も近づき、これから暖かい季節になると運動したくなりますよね!

健康、ダイエット目的に運動を始めよう、と思う人も多いかもしれません。

そんな方々に伝えたいことが1つ。

『運動前のストレッチは入念に』

今回の記事は、

参考文献:アキレス腱断裂の治療 / 武田康

をまとめたものです。

主に断裂後の治療について書きました。

この記事でわかること

  1. アキレス腱の治療には2つの方法がある。
  2. それぞれの治療内容について。
  3. 治療に伴う合併症・気をつけるべきこと。

 

アキレス腱とは?

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アキレス腱というのは、足首の後方にある腱のこと。

人体で最も太く、最大の腱と呼ばれています。

歩行やジャンプ運動の際に必要な腱で、不意にダッシュしたりジャンプすると無理な力が入り断裂します。

これがアキレス腱断裂です。

アキレス腱断裂はスポーツ選手だけではない

プロのスポーツ選手やアマチュアでも本格的にスポーツをやっている人に多いという印象があるかもしれません。

しかし、アキレス腱断裂は一般の中高年の方にもよくみられる運動障害です。

腱の老化が原因で発生することもあります。

例えば、運動会のリレーで久しぶりに走ったらアキレス腱切っちゃった、なんて話はよく聞きますよね。

後ろから強く叩かれるような衝撃

アキレス腱断裂の特徴として、

  • 棒で叩かれたような衝撃
  • つま先立ちができない

があります。

経験者の3分の1がウォーミングアップ不足で起きると言われているので、運動前には十分なストレッチとウォーミングアップは必須です!!

 

アキレス腱を断裂したら!?治療法は2つです。

アキレス腱断裂の治療には、

  1. 保存療法(ギプス固定)
  2. 手術療法(腱を縫合する)があります。

保存療法(保存的療法)

人体を傷つけないで、治療する方法の総称。

非観血的療法とも言います。

ギプス療法と手術療法の違い

なるべく身体に負担をかけたくない。

そう思う方も多いですよね。

身体にメスを入れず保存療法で治すことも可能なアキレス腱断裂。

しかし、もしアナタが「少しでも早く」そして「確実に」治したいと思うのであれば手術療法が良いでしょう。

*手術療法のメリット*

  1. 断裂した腱を確実に修復できる。
  2. ギプス固定期間を短縮し歩行開始も早くできる。

復帰後の再断裂も、手術で縫合した場合の方が保存療法よりも少ないとされています。

 

身体への侵襲が大きい分メリットもある手術療法ですが、術後の手術創(跡)が気になる方は保存療法をお勧めします。

ケロイド体質の場合、創部が盛り上がる(キズが線状に膨隆する)ことがあります。

皮膚科や形成外科で綺麗にすることも可能ですが、金銭的な負担や身体的負担もまたしかり。

保存療法でじっくり治すのもひとつの選択です。

 

アキレス腱の治療 保存療法

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ギプスで断裂したアキレス腱をつなぐためには、できるだけ断裂した部分を近づける必要があります。

そのために、つま先立ちの姿勢(底屈位の状態)でギプス固定をおこないます。

もちろん、このまま歩くのは難しいので松葉杖歩行が必須です。

 

およそギプス開始後6週間で断裂部は一体化。

ふくらはぎを動かすことが可能になります。

この頃から、ギプス固定➡専用の装具へと変更。

2週間ごとにつま先立ちの角度を緩めていきます。

装具による固定期間はおよそ4ヶ月です。

 

アキレス腱の治療 手術療法

手術療法はメリットもありますが、術後は特に患者さん自身気をつけなければいけないことがあります。

それは術後感染です。

術後合併症の中でも、発生頻度が高く、患者さん自身にも負担がかかるものです。

一見皮膚が癒合*1していても、リハビリで患部を動かすことで、ばい菌が侵入することがあります。

患部の皮下脂肪層が薄いことが原因です。

なので、抜糸が終わった後でも安心できません。

手術の方法

ざっくりと手術の内容について。

  1. アキレス腱部に5cm程度の切開(断裂形態によっては10cm程度)
  2. 断裂したアキレス腱を確認し縫合

術後は、保存療法とだいたい同じです。

ギプス固定後、約10日間でブーツ型の装具を着け、少しずつ体重をかけて歩いていきます。

装具による固定期間はおよそ3ヶ月です。

  • 断裂腱の状態が悪いと判断した場合 
  • 直接縫合しても予後が悪いと判断した場合
腓腹筋腱の筋膜を採集して、縫合部を補強することもある。

リハビリテーション 

不必要な安静は、身体の機能低下をもたらします。

一度落ちた機能を回復させるには、相当な期間と努力を要することがあるので、しっかりとリハビリをおこなっていきましょう。

日常生活でほぼ支障がなくなるのは術後約2ヶ月程度。

スポーツに完全復帰できるのは約6ヶ月後の予定です。

 

感染症が一番怖い!合併症と気をつけること

先述しましたが、アキレス腱縫合後の合併症の中で、一番頻度が高いのは創部感染です。

傷口がくっついているように見えても、リハビリなどで患部を動かすことによって、細菌が入るリスクが高まります。

術後3ヶ月は注意が必要な期間です。

その間は基本シャワー浴になります。

皮膚の湿潤を保つことが大事 

シャワーを浴びた後は、ワセリンなどを塗って皮膚の保湿をおこなうことが大切です。

皮膚の保湿をせず、そのままにすると皮膚が乾燥し縫合創のしわがひび割れをおこします。

そこから感染してしまうんですね。

*こんな時は感染を疑え*

  • 皮膚から液体が出て創部周囲が赤くなり痛みが強くなる。

むくみ解消のために患部を挙上しよう!

足を固定していると血液の循環が悪くなるので、浮腫(むくみ)が生じます。

個人差はありますが、術後だと約3ヶ月。

このむくみの管理が悪いとリハビリが進まず、足関節の動きに制限が残ることも。

なので可能な限り患部(下肢)を上げることが大切です。

 

最後に

アキレス腱断裂は、プロのスポーツ選手に限らず私たち一般人でもおこる疾患です。

年齢と共に硬くもろくなってしまうので、久しぶりに運動をする方は特に注意が必要です。

急に動かすと、ピキッといってしまうかも、、、。

アキレス腱だけでなく、筋肉も凝り固まっているとケガの原因になるので日頃の運動・身体の柔軟性はとても大切ですね。

自分を過信しないように、運動前はしっかりストレッチしようと思います。

過去の自分と今の自分は違うということを認識することが大事ですね、、、笑

 

今回はアキレス腱断裂の治療法についての記事でした。

*まとめ*

  • メスを入れない『保存療法』と『手術療法』がある。
  • 「早く治したい」という方は手術療法がお勧め。ただし、術後感染に気をつけること。
  • むくみ解消は患部の挙上せよ!

 

*1:傷口がふさがっている状態